アトピーの子供たちと、その親御さんへ(4)

 私は生まれたときからアトピー皮膚炎だったと母親から聞いています。住んでいた家は、生まれた当時築10年程度のものでしたから、木造家屋で現在の耐震基準も満たしていないし、密閉性もくない、いわゆる古い家です。小さな小型犬は飼っていました。

 当時は、アトピーという病気はメジャーではなかったそうです。こんなエピソードがあったそうです。夏のある日、暑くて(痒くて)泣きじゃくるので、母親がクーラーを入れて部屋を涼しくしてくれていたそうです。ところが、祖母が「クーラーなんてもったいない!!弱い子になるから切りなさい!」と言って、クーラーを切ったそうです。

 その結果、赤ちゃんの私はどうなったか??簡単に想像できますよね。汗をかいて、掻きむしって酷い状態になったわけです。以前は、祖母の対応を憎んでいました。しかし、最近は、母親、祖母の対応どちらも納得がいきます。というのは、アトピーにとって一番大事なことはバランスだと思うようになったのです。でも、これは非常に難しいことです。

 赤ちゃんである私に対して、最善の策は、クーラーを適切に使うことだったと思います。基本姿勢は次の通りだと思います。

1:掻きむしって、アトピーを悪化させない。

2:ある程度、暑くして免疫を強くする。(表現が科学的ではないですが、イメージ優先です。)

 当時、母親にも祖母にも、アトピーに対する知識が欠如していたことが、私の不幸だったと思います。繰り返しますが、無理からぬことなので恨んではいません。(いや、正直、恨んでいましたが。なぜ、もっときちんと調べて、多くの医者を訪ね適切な治療をしなかったのか。。。)

 アトピーにとって、掻いてしまい、出血、ただれてしまうことは避けなければなりません。一方で、免疫を鈍感にさせるというか、環境の変化に強くさせる必要もあります。アトピーが悪化しない程度に、クーラーのONOFFを行う必要があったわけです。通常の子育てに加えて、こういった部分まで配慮することは、当時の専業主婦が主流の時代であれば可能だったと、私は冷静に思うのです。

 現代で言えば、子供をONLINEで撮影し、掻いていると判定したらクーラーOFFにするくらいは技術的に可能だと思います。私は、アトピーについては、発症した時の初動が極めて重要だと思っています。免疫を相手にするアトピーは、根治は難しいわけで、ある年齢で治った子供たちについても、なぜ治ったのか?が分からないわけです。逆に、なぜ治らずに成人アトピーになったのか?結局、よくわからないわけです。月日が流れてしまうと、他の要因が多すぎてしまいます。ですから、根治に向けては初動が大事だと思うのです、私たちは、掻くという行為自体に慣れてしまいます。私は、この慣れ自体も自分の免疫反応を変化させるのでは?と思っています。

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