2024年の秋は、わが国日本にとって大きなターニングポイントだったと語り継がれるに違いありません。兵庫県知事選挙、衆議院選挙で、従来とは異なる選挙結果となりました。兵庫県の知事選では、テレビ、新聞で報道された事実とは異なる状況が明らかになり、選挙結果が変わった。また、国民が今まで知ることのなかった情報を知ることにより、自民党と公明党が少数与党となりました。
「どうせ変わらない」という刷り込まれた我々の目の前で、大きな変化が起きたわけです。その原動力は、「情報」でした。ニューメディア、オールドメディアとの対立構造で語られています。我々、国民の立場からすると、今まで得られなかった「情報」に触れることによって行動が変わったということです。一部の権力者が操作した情報によって造られて来た時代が終わったということでしょう。いかに、プロパガンダが強力な統制力を持っていたのかを、まったく想定しなかった形で目の当たりにしたわけです。
良心的なニューメディアの発信者たち
YouTubeなどのニューメディアの中で、様々な情報が発信されています。その中で、従来のオールドメディアとの対比の中で、あるべきメディアの形を考えて発信する方々が現れました。少し前は、ひろゆき氏、堀江貴文氏、三崎優太氏などのように、個によって今までにない情報が発信されてきました。岡田斗司夫氏や中田敦彦氏などの体系化された情報発信も刺激的でした。
最初は個からの発信でしたが、そこからコラボが生まれて行きました。そんな中から「従来のマスメディア」のように、マスメディアの役割をアップデートするような発信者たちが現れたと私は考えています。もともと、Newppicksなどもあったのですが、虎ノ門ニュース、PIVOT、RehaQ、政権電論TVなどが代表者だと思います。メディアの役割を、オールドメディア時代の経験者や猛者たちが、ニューメディアのテックに併せて我々国民に提供する情報の質と形をガラッと変えたわけです。
その変化を端的に言えば次の2つです。
- 本気の議論、多様な議論が可能となった。
- 専門性の高い話を聞くことができる。
- 長時間で話者の人間性まで魅せる
オールドメディアの運用上必要不可欠だったスポンサーの在り方が変わり、タブーが減少したことと、番組の時間を十分に取れることが背景として重要なことだと思います。結果的に、上の1,2,3が実装されたと思います。
今までなら、ありえない対談は本当に見ていて面白い。議論番組と言えば、オールドメディアの時代は朝まで生テレビしかなかったと思います。しかし、今やチャンネルごとの味付けで実に様々な立場の方々が、本気の議論を戦わせています。この多様で本気の議論する番組の影響は大きいと思っています。従来メディアでは、保守とリベラル、右と左などステレオタイプな分け方でした。
しかし、多くの本気の議論、対談を見ていると、ステレオタイプな二項対立は実際は存在せず、話者一人一人の個性、背景も含まれており、個の多様な意見を容認できるようになって来ました。これは、3の影響が大きいと思います。長時間の番組の中で、その方の標榜する立場だけではなくて、背景、人間性も見えてくるなかで、人としての共感も生まれてきます。純粋にロジックのみで判断すべき場面もありますが、でも、人間ですから、相手の人間性はとても重要です。オールドメディアはそこまで描けませんでしたが、ニューメディアはこの点が違います。
例えば、マルクス主義者である斎藤幸平氏と賛否両論ある芸術家村上隆氏の対談は今までにない内容でした。見方によっては真逆の二人が議論する様は、イデオロギーの前に我々は人なんだなと思わしてくれます。また、高市早苗氏が実は車好きで、飲み会の場が嫌いであるとか、急に親近感が沸きます。さらに、この秋国会議員に復帰した元名古屋市長の河村たかし氏は、名古屋弁をしゃべる奇妙な方くらいな認識でしたが、名古屋市で減税を実現し教育にも熱い主張を持つ方だと分かりました。言葉にするとたんぱくなんですが、それぞれ、聞き手がいたりして、表情、しゃべり方などから、話者の人柄がにじみ出てきます。
さて、今例に挙げたのはRehacQというチャンネルのコンテンツです。新しいあるべきメディアの形を体現した代表だと思っています。プロデューサーである高橋氏のコンテンツを作る姿勢や思いなども番組で語られます。これも今までにないですよね。岡田斗司夫氏の動画を見てから、ジブリ映画を見直すかごとく、製作者の意図を理解してから、その番組を見る経験は今までは出来ないですよね。知り合いにTV局のプロデューサーがいるとか、映画監督が知り合いとかでなければできませんから。
RehacQの高橋氏以外にPIVOTのCEO佐々木氏などの番組制作への思い、また、報道分野でも虎ノ門ニュースの須田氏、政治解説で言えば三橋氏、政権弁論tvの佐藤氏、井川氏・・・・有象無象と言われるYoutubeというメディアにあって極めて良心的な作り手が、新たな時代を切り開いたと思います。
格好良い政治家の姿 → 政治家に憧れる子供たちが絶対に増える
最近、国会中継の切り抜き動画を多く目撃します。以前は国会中継はNHKのみが行っていました。ほとんど見ていませんでした。冷静に考えると、国会中継は切り抜き動画に非常に馴染みます。すべてを見るわけには行きませんから、どうあっても切り抜きです。当然、投稿主のセンスや意図に左右されてしまう危険性はありますが、でも、多くの切り抜きを比較していくと適切な切り抜き動画を見極められるようになります。これは、有象無象が乱立することのメリットになります。
切り抜き動画で政治家の顔を見る機会が増えます。また、長時間の動画で、政治家の人としても魅力も見えてきます。さらに、政治家自身が配信している場合もあります。立花孝志氏、玉木雄一郎氏、浜田聡氏・・・多くの方々がいます。流石は話すことが上手な方々です。自然と引き込まれます。また、チャットでの視聴者とのやりとりも面白いです。さらに、国会中継において、意外と言っては失礼なんですが、きちんとした知識に基づいて答弁をする姿は格好良くもあります。
こういった政治家の姿を見る子供たちは必ず増えて行きます。そして、政治家って格好良いな!と思う子供たちも必ず増えます。世襲とかではなくて、純粋に国のことを考えて将来政治家になろう!という子供も絶対に増えて行きます。議員インターンシップ制度もある地方議会も多くあります。良い循環が生まれる予感がします。このように考えると、ニューメディアの方々によるこの新しい「情報」の波、つまり、我々国民がより本質的で上質な情報に触れる機会を生み出したことは、将来の日本を変える原動力になります。素敵な仕事だなと心からの敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。