電車通勤時、不測の事態にどう対応する?

 最近、電車内で起こる物騒な事件をニュースで見かける。放火であったり、刺される、殴られる・・・色々なパターンがある。私は、目を患い車通勤から電車通勤になった。正直、非常に怖いと感じる。実際、事件に巻き込まれる可能性は低いだろう。

 しかし、「何かおかしいな」と感じる場面は意外と多い。コロナ禍で大きな声で喋る人、マスクを着けていない人、奇声を発する人、急な動きをする人。こういった人々が、全員悪い人ではない。ましてや、人に危害を加えるような人ではない。自分で何かをするのと、誰かに影響を与える、危害を加えるのとは、次元が違う。

足を蹴られた実体験

 以前、非常に乗車態度の悪い男性に遭遇したことがある。今なら黙っている私だが、まだ、若かったので、態度でいら立ちを示したことがあった。その男性は、駅で降りる際、私の足を蹴って降りていった。何とも、腹立たしいことであったし、今思えば、刺されなくて良かったと思えてしまう。

 物騒なニュースが報道されると、周囲にどうしても警戒してしまう。人を信じられなくなってしまう。本当に悲しいというか、世知辛い世の中だと思う。それでも、実際私は蹴られたし、また、現実、刺されたり、殴られたり、そういうニュースを見てしまうと、構が必要だと思う。

達人による対処方法、disarmなんて素人にできるわけがない

 物騒なニュースに呼応して、Youtubeなどで武術の達人が誰でもできる対処法や、disarmの方法が紹介される。こういった動画を見て、自分もできそうな気になるのが怖い。冷静になれば分かるが、彼らは達人であって、日々のトレーニングを積んでいる人たちだ。動画で紹介される所作は、素人に出来ることではない。

 一方で、相手から暴行を受けても周囲が助けてくれないケースもある。人を助けるために、加勢するのは非常に勇気がいるし、返り討ちにあるリスクもある。だから、助けなければならないとは絶対に言えない。しかし、自分が攻撃を受けた折、助けて貰えないとなった場合は、想定しておかなければならない。自力で何とか、殺されない、致命傷を受けないようにしなければならない。

 ここが非常に大切なことだと考える。我々は素人なのだが、何とかしなければならない局面になったら、何とかしなければならない。ここの線引きを、決めておく必要がある。そして、そうならないための準備も必要だ。

一体、素人である私に何ができるのか??

 ここは、最近突き詰めて考えた。その結果が次の通りだ。

  1. 危険な雰囲気の人物がいたら、その車両から離れるか電車から降りる。
  2. 寝ずに、周囲に意識を向け、危険をなるべく早く察知する。特にドアの開閉時は注意。乗客の特徴と座っている位置を把握。
  3. 座席は、ドア付近から離れた位置。ドアが開く側の席になるべく座らない。
  4. 日頃利用する電車であれば、どの駅で誰が乗り降りするかを把握し、イレギュラーな人物を把握する。
  5. 自分が相手からロックオンされたと判断したら、逃げずに、覚悟を決めて戦う。

危険回避、危険を素早く察知

 今まで、電車は貴重な睡眠時間であった。しかし、起きて意識をしなければならないので、勉強するようにした。勉強しながら、目線を落として人々の足の動きに注視している。目を上げれば、「何目付てんだ!?」とか因縁を付けられる可能性もある。

 とにかく大切なことは、危険に近づかないことと、なるべく早く察知することだ。乗った電車に、避けるべき人物がいたら降りるが車両を変わる。そして、座る位置も重要だ。更に、相手から目を付けられない、目立たない服装も大切だ。

無差別は、実は無差別ではない。弱そうなやつが狙われる

 目立たない服装と考えていたのだが、ここはより考えるべきポイントがある。「無差別に刺される」という表現があるが、実際には当然、刺す人間を選別しているはずだ。要するに、弱そうな人を物色しているということだ。当然、突発的なことはあるだろうし、相手が拳銃などを持っていたら、それこそ無差別に発砲するだろう。

 例外は置いておいて、重要なことは、「目立たないことと弱そうに見えない」ことが重要だ。この点で言えば、私は外見上は、強面だ。だから、上で書いた通り、蹴られた時も、降車時に蹴って逃げていった。私は、相手にとって、面と向かって、その場でやりあうべきではない存在と映ったわけだ。

 目立たない、かつ、弱そうに見えない とは、どういった服装、外見なのだろうか・・・なかなか、イメージができない。逆に、超目立って、周囲から狂ってるなと思われるくらいがいいのかもしれない。ちょっと、ずれてしまったが、最後に今回の一番のポイントを述べたい。

【最重要】ロックオンされたら、逃げずに闘うという決断

  上で危険回避、危険察知の重要性を述べました。素人には護身術なんてできないとも。でも、実際に、被害に遭われた人々がいる以上、ある一線が存在するのも事実。その一線について最後に述べたい。

 それは、相手にロックオンされた時だ。もっと正確に言えば、ロックオンされた!とこちらが認識した時だ。だから、ボサッとしていてはいけない。危険を察知するなかで、自分が狙われた、刺される、殴られるといった瞬間、これが「一線」だ。

 この一線を越えた瞬間、自分の命を守るため、愛する人を悲しませないために、全力で闘う必要がある。ここが難しいのだが、ここに絞ってはトレーニングをする必要がある。相手が刺す!と決めた場合、閉鎖された空間である電車では、背を向ければ刺されてしまう。逃げるという選択は、自分にとって最悪な結果を招く。

 私はリュックを膝の上において電車に乗っている。リュックで防ぐ、それでもだめならば、disarmを試みなければならない。ここは、自分の命を守るという観点から、ある程度の知識と経験、トレーニングが必要だと思う。素人には無理だと言っていられないから。

 プロのようにうまく行かないにしても、正中線を外すくらいはできるかもしれない。リュックでナイフを叩き落とせるかもしれない。大切なことは、少しでも、自分が殺される可能性を下げることだ。

 更に難しいのは、ヤラレル!と判断して自ら戦闘モードに切り替えるというマインドだ。武道を志すものなら可能だろう。しかし、我々素人には、ここが非常に難しいと思えるのだ。

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