友人と3人で、防災訓練をやってみた(2)

自分のスキルアップ

 今回、大きな震災が起きたことを想定して、職場から自宅まで33kmを歩いてみたわけです。Google先生予想では6時間56分です。私の年齢で歩けるのか?道はどうなのか?体験して感じたことを書いて行きます。

職場までの道のり

 職場まで、普段と同じ公共交通機関で移動をしました。6:00集合です。私と同級生の友人は高校時代も一緒に歩いたことがあります。30歳の友人は、2時間は歩いたことがあるけど・・という人ですが、何せ私より10歳若い!!30歳選手は、スーツと革靴で参戦する予定だったそうです。なるべくリアリティーを追及するために。さすがに、これは止めたのですが、彼はカバンを持たず財布一つで参加したのです。私は普段学校に行く恰好ではなく、ジャージ。同級生はガッツリ趣味の自転車用のウェア中心で固めてきました。

旅のおともですよん。

 職場までの移動は、防災、将来の日本の話などで盛り上がりました。天気は、先日の温かい陽気から一変、寒気が流れ込み風が強い、でも、雨は降らないという予報でした。ところが、駅について歩き始めると、いきなり雨、風は4m程度で歩くのが辛い状態・・・

 ということで、スタートしました。

スマホを使わない縛り・・道に迷いそうになった

 職場から家までのルートは頭に入っていました。目の病になる前まではずっと車でしたし、昔自転車競技をやっていたので、車だけでなく自転車ではどうか?などそれなりに頭を働かせられます。

 高速道路、鉄道、工場など、大まかなポイントや歩きやすい道なども想定していました。ところが・・・中間地点くらいで雨に降られ、風に吹かれる中、3人が3人とも道を見誤る寸前になっていました。これは、結構驚きました。真逆に進みそうだったのです。

 原因は、「バイパス」「車用の道路標識」の2つです。歩くとき、頭の中での地図は、基本東西南北で地図をイメージして、行き先を考えています。ところが、「バイパス」「車用の道路標識」は東西南北よりも、「行き先」が優先されて書かれています。

 人間は東西南北の方角優先ですが、車の標識は行き先優先です。方角は二の次です。しかも、バイパスは行き先が遠方になります。道路ですから、カーブして現地に行くわけです。このカーブの量が、私たちのイメージする東西南北とは異なるわけです。歩きなれていれば、この差も頭に入るのでしょうが、今回、本当に真逆に進みそうでした。

身体は、10km程度で既に悲鳴。後は騙し騙し歩く

 3者ともに歩いた後、痛い部位が異なります。また、歩いているときは、色々と考えているので、痛いことや辛いことを、表現するかしないも含めて、行動がバラバラです。

 「今、痛いっていうと、この後ずっと辛いな~」とか、ペース配分やメンタルの制御の方法がみな違うわけです。ですから、事後、「え?あの時から君、そんなにつらかったの?」といったことが起こるわけです。ということで、歩き終わった後に中華料理を食べながら、身体の痛みについて整理してみると

  • 10km地点で皆、足が痛かった
  • 痛みの部位は、時間ごとで異なる。脹脛、脛、太もも、股関節、腰、足の裏・・

30歳の友人は、痛みの部位と症状を毎回、克明に表現していました。彼は、新しい体験を欲しているので、この企画で自分の限界突破など自分なりの目的設定をしているので、「自分の体に起こる痛み」をきちんと把握することに努めていました。こういう人間の特徴が見えるのも、この企画の面白いところです。

 とは言え、最初の10kmで既に足は皆さん、痛いわけです。防災マップなどで、徒歩で帰宅する距離の分岐点が10kmになっていますが、なるほど!合理的です。

 残り23kmを私たちは痛みを抑え、こらえながら騙し騙し歩いているわけです。歩くという動作について、痛くても人間は歩けると思います。同時に、マラソン選手や24時間テレビの100kmの走者には敬意を持ちます。これも、この企画をやってみて見えたことです。

休憩のルール(この戦略にかなり救われた)

休憩のルールは次の通り。

  • 休憩は信号で止まるとき、
  • コンビニに立ち寄るとき、
  • 時間で30分に一度
  • 一回の休憩は、長く取らない。

友人が大学時代に長距離の自転車競技をやっていた経験を生かして、このようなルールにしました。要するに、気温が低かったので長時間休憩すると体が動かなくなるという判断をしたわけです。 こまめな小休止作戦です。これは、後になって本当に有効な方法だったと思います。

政治家の失言の原因が分かった(笑)

 半分冗談なんですが、疲れてくると、会話が成立しなくなります。「あれが、これで、それで」現象です。さらには、左右が逆になったり、本当に疲れると人間は正確性を失い壊れて行きます。歩きながら、その変な会話を笑えるうちはまだ、大丈夫なんですが、今回は33kmで日中だったので、変な会話を楽しむ余裕があっただけ楽でした。

 さて、もう話の展開は見え見えだと思いますが・・・

 昨今の2世議員を含め議員の方々の多くの失言が目立ちます。「政治家として、どうなんだ?」と批判的な視点を私たちも持っていました。でも、今回歩きながら、徐々に意味不明な言葉を発する自分や仲間の姿を見て・・・

「なるほど、だから議員は失言するんだ。あー!疲れてるんだな彼らは。働きすぎなんだよ。育休とってしっかり休まないとな」

結論は、「自転車」を用意すべき

 結果的に

距離については、Google先生では距離は33kmですが、かなり迷ったので10%は増えて36km程度歩いたと思います。

時間については、8時間20分で歩き切りました。最後は、痛くて時速3km程度。

33kmは歩くことはできるけど、足を痛めるし、下手すると道も間違えてしまう。仮に家に帰ったとしても、まともに動けない。 だから、職場に自転車を用意するべきである。 」

「ま、こんなことは歩き始めてすぐに分かったことです。この結論を得た後は、私たちは修行をしていたようなものです。」(30歳友人談)

「もう少し言えば、33kmも離れた職場で働くというのはダメですよね。地域コミュニティが大事とか言っているのだから、もっと近場で勤めないと。働き方改革が、本当に良い方向に進むなら、家の近くの職場に転職できるようになればいいですよね。何を大事にするのか?が変化している時代ですから。」 (30歳友人談)

(蛇足)私の目標は達成できました

 私はアトピーであり、目の病気です。このハンディで歩けるか?と思ったのです。でも、何とか行けました。実は、ここが本当に嬉しかった。友人がいたからというのもありますが、本当に自分を褒めてあげたい気分です。

 でも、一瞬、休憩の後、立ち眩みしました。私のもう一つの持病、不整脈を思い出した瞬間でした。同級生の友人が、「こういった病気なんかのハンディってのは、その病気やハンディ自体はどうにもならないから、一方で、どうマネージメントするか?が大きな問題だよね。」と話しました。なるほどな・・どう付き合っていくか?これは、自分をきちんと知るということであるし、30歳友人が自分の痛みについてしっかりと感じて言葉で表現していました。こういったことが大事なんだと実感しました。

 今回の企画での私の一番の学びは、この二人の友人の言葉と姿勢でした。

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