デイトレを始めて3年目
コロナ禍でリモートワークとなった折、私も個人投資家デビューを果たした。世の中、多くの方々と同じパターンだろう。あれから3年が経過した。年間90%が退場すると言われる相場で、何とか生きている。1年目、60万円の損失、2年目15万円の損失、そして、3年目、ようやく利益が生まれ始めた。
利益を上げた個人投資家の話も重要だろうが、生き延びている個人投資家の話も参考になると思う。今回、自分の足跡をたどる意味も含みながら重要なポイントを整理してみたい。
生き残ることを第一優先にする
個人投資家デビューして、偶然にも投資会のカリスマであるテスタ殿の格言に出会った。次の言葉だ。
負けなければ、おのずと勝ちになる
投資家 テスタ
この言葉から、勝つことよりも、負けないこと、つまり、市場から撤退しないことが重要なんだと直感した。大きな損益を出し、市場から退場すれば、株で儲ける機会を失う。しかし、市場に残っていれば、設ける可能性はゼロにはならない。撤退せずに、経験を積めば、いつかプラスに転じるかもしれない。当初は、こんな考えだった。
少額でスタートし、まずは慣れることに集中
最初のトレードは、本当に、緊張したのを覚えている。SBI証券のスマホアプリでのトレードだったが、タップの一つ一つが緊張だった。意味不明な用語も多い。知識も豊富にあるわけでないから、常に大損する恐怖が付きまとった。というか、これが私の性格であって、つまり、ビビりなので大きな賭けは今までやったことはない。この性格が、退場を免れている本質なのかもしれない。
さて、最初は30万円を種銭として、投資を開始した。最初は、トレードスタイルもへったくれもない。ビビっているから、100株を買って、少し上がっても利確。少し下がっても損切りしていた。まずは、慣れることだ。特定口座とか、もう意味不明な用語を毎日理解して、徐々に慣れて行った。
自分に適したトレードスタイルを選ぶ
様々なトレードスタイルがある。実際、自分にあったトレードスタイルを見つけられるかどうかが、最も重要な分岐点になると私は感じている。分岐点は
- 資金力
- トレードできる時間
の2つが大きい。経験を積めば、適したスタイルを選べるだろうが、素人には不可能に近い。私の勝手な推測だが、不幸にも、自分の資金力やトレード可能な時間に合っていないトレード方法を選択してしまった人は早々に退場する羽目になっていると思う。
私は、資金力が潤沢にある立場ではなかったので、信用取引ができる50万円程度からスタートした。資金力がないので、デイかスイングを選択することになる。ただ、臆病な性格であったので、日を跨ぐ、つまり、時間リスクを取る勇気がなかったのでデイトレード一本にした。
また、日中は仕事を持っているので兼業トレーダーであって、リモートワークに入る前の勤務形態から鑑みて、場中6時間すべて監視はできないが、デイトレーダーを選択した。
現在も、トレードスタイルは基本変化していない。種銭は100万程度で信用取引を使ったデイトレード一本だ。ようやく、最近、1日程度持ち越すこともある。
勉強せずに、勝つことはあり得ない。
さて、私のこのトレードスタイルの選択は、結果からすると正解だった。資金面で言えば、選択できないからデイトレードというのが現実だ。しかし、この結論を得るためには、相当勉強した。本、youtube等、様々な方々のスタイルを参考にした。
強調したいことだが、広告等で「簡単に稼げる」という謳い文句を頻繁に目にするば、そんなことは絶対ない。株で稼ぐカリスマと呼ばれる人たちも、10年以上のキャリアを持つ方々がほとんどで、その間、勉強し、試行錯誤を重ね、自分なりのスタイルを産み出して来ている。間違っても、簡単に勝ってはいない。
一発大きく当てる人はいるだろうが、継続して勝つとなると、努力抜きにはあり得ない。しかし、努力の方向性や手法は、様々だ。ここが、意外と面白い。持っている資金力でも努力の方法は変わる。
勉強内容も多岐に渡る。チャート、テクニカル指標、決算、銘柄毎の癖、アノマリー、買い方、売り方・・・・結構、多い。
トレードは、職人技に他ならない
更に、強調したいことがある。それは、トレードは職人技だということだ。カリスマたちは、トレード歴10年以上選手が多い。銘柄の選定が上手いことは言うに及ばずだが、最終的に行う、売買自体が上手い。
ここは、経験者にしか伝わらないと思うが、株は買い方売り方自体も多くの方法がある。適切な方法を選択し、かつ、不測の事態に遭遇した場合でも、損益を最小化する回避術もある。今、言葉で説明しているが、売買は、最終的に、マウスでのクリック、スマホでのタップで行う。この物理的な操作自体に熟練が必要だと言いたいのだ。
私はトレードはスマホ一台だが、より速く、より効率的にトレードを行う場合、モニター増設やPC複数台となる。そして、その機器を情報に応じて、使いこなして的確に注文する行為は、職人技だ。
実際、私の師匠と同じ銘柄を売買しても、利益に差が出る。買うポイント、売るポイントが的確であって、そして、最終的な操作にも慣れているのだ。
師匠を見つけるべし
幸運にも、私には師匠がいる。極めて良心的な月額で、コニュニティーに参加させてもらっている。正直、この世界は情弱を狙う多くの詐欺商材も多い。騙しも多い。しかし、中には、本当に素晴らしい方も存在している。株を愛しており、その方の持っている知識や経験を初心者に伝え、共に利益を出し、かつ、お互いを高め合っていくというコミュニティーだ。
そんな素晴らしい方がいるなら、具体名を言え!と言われると思うが、正直、言いたくない。人に知られたくない、名店と同じだ。その師匠に薦められた本がある。「完全プラス期待システム」だ。師匠のトレードスタイルは、その本の内容を具現化したようなものだ。期待値の高いトレードに絞って、トレードを繰り返せば、勝ちに繋がるというものだ。師匠もまた、日々、新たなトレード手法の確立に向けて勉強しているようだ。
精神の安定は、思った以上に重要な要素
師匠も兼業トレーダであり、本業も楽しんでおられる。更に言えば、兼業であるがゆえに、無理なトレードはしない心の余裕が持てる。兼業トレーダーは、プラスマイナスゼロならば、生活に困らない。専業トレーダーは、勝たなければ生活ができない。
兼業トレーダーのこの心の余裕は、非常に重要だ。大体、株で負ける時は、無駄なトレードによるものが多い。今日は、これを買う!と決めているものでは起き辛い。それは、当然で、予定するトレードは期待値が高いものを選んでいるからだ。
欲をかく、ないしは、負けたから勝とう!などと思うと、負ける。私は、この3年で負けるトレードが減った。そして、損切りが速攻でできるようになった。結果的に、逆コツコツドカンに近づいてきている。コツコツドカンは、小さく勝って大きく負けることを刺す言葉だが、その逆は理想的だ。負けなくなったし、負けは最小で食い止めている。後は、勝つ機会が増えるだけだ。押し目で底を打った感じか。
今の私が思う理想的なトレード
- 今の仕事は続けながらの兼業トレーダー
- 基本デイトレード、たまに、1日跨ぎレベルのスイング(時間リスクは負わない)
- 資金は、種銭300万円で、信用で1000万円(十分デイトレで利益出せる)
- 利益は種銭にせず別口座へ。(長期投資へ挑戦するか、今できることに使う)